2013年05月21日
「セデック・バレ」トークショー開催しました☆
どうも、異動してからすっかりご無沙汰、芋色眼鏡です
別部署に異動になって、実はキネマスタッフではなくなってしまった私ですが、ブログ、書かせていただきます。
何故なら!
IDとパスワードを知っているから!わはは!!
ではなくてですね、皆様にレポートしたくてですね
昨日、キネマ館では「セデック・バレ」公開記念特別トークショーが開催されました。
「セデック・バレ」は、1930年に台湾の山間部で起こった抗日暴動事件を題材に、
「海角七号」のウェイ・ダーション監督が描いた4時間36分の長尺二部構成大作。
(C) Copyright 2011 Central Motion Picture Corporation & ARS Film Production ALL RIGHTS RESERVED.
台湾の原住民セデック族が台湾を植民地支配しようと入り込んでいた日本に反乱した
「霧社(むしゃ)事件」を完全映画化したバイオレンス・アクションな作品です。ちなみにR-15指定。
そんな本作のトークショー、講師は宮崎大学名誉教授・文芸評論家の岡林稔先生。
映画のスクリーンをバックに、パワーポイントでご講義をいただきました。
(大学の授業みたいで楽しかった~)
しかしなぜ、台湾の抗日暴動の映画で岡林先生なのか?
そこをつなぐキーは宮崎出身の作家「中村地平」でありました。
中村地平は南方文学の提唱者。そもそもなぜ南方なのか?
旧制宮崎中学校(現在の宮崎大宮高校)を卒業した後、神経衰弱でまいってしまった地平は、
南方でのんびりしようと台湾の高校へと進学を決め、そこから地平と台湾のつながりが始まりました。
なんで台湾か、というと、女性がらみで神経衰弱になってしまった佐藤春夫に「いいよ~台湾」と誘われて、とのこと。
そしてそんな中村地平を研究していらっしゃるのが、岡林先生なのであります。
・・・昨日の講義で出てきた言葉「理蕃(りばん)政策」。
なんと高慢な文字面だろうかと思います。
植民地化を目指すうえで、野蛮な民族を文明開化させてあげるのだ!
という上から目線な政策で、台湾の統治を進めていった日本政府。
現地の女性と政略結婚したり、部族の長を東京案内したりと懐柔政策を推し進めてはいたが、
基本的に、現地に入っていた日本警察も日本本国の国民たちも、セデック族を下に下に見ていました。
地平はセデックに寄り添った作品を書いてはいたものの
やはりどうしても、端々に上からな思想が見え隠れするのだそうで、
そういった感情に疑問を持ちにくい、そういう時代の空気感だったのかな、
と、ちょっと残念に思ってしまいました。
セデックから少し離れますが、地平についての講義の中で印象的だったのは、帝大同級生だった太宰治との友情と確執。
神経衰弱はなはだしい友人の太宰に「俺が入った新聞社に来いよ」と救いの手を差し伸べるものの、
太宰は女と心中未遂なんか起こしてる。言っても言っても心中しようとする太宰。
う~ん、太宰治、分かってはいたけどやっぱり面倒くさい男だなと思ってしまいます(笑)
地平も「なんや、もう!」と愛想をつかし、あんな奴は一生友達じゃない!と互いの作品の中で悪口を書きあう2人。
ほんと、なにやってんだ(笑)
さて、本作は先に書きましたとおり4時間30分越えの大作です。
5月25日(土)から上映開始。
前半を第1部、後半を第2部としてそれぞれに料金をいただきますので、購入の際はご注意ください。
今ならお得なセット前売券を2,400円にて販売中!
上映時間はコチラhttp://www.bunkahonpo.or.jp/cinema/time_2.htm
物販所には中村地平の作品や、岡林先生の著作も販売しております。
ぜひ、ご覧ください。
長々と失礼しました!よろしくお願いします☆
別部署に異動になって、実はキネマスタッフではなくなってしまった私ですが、ブログ、書かせていただきます。
何故なら!
IDとパスワードを知っているから!わはは!!
ではなくてですね、皆様にレポートしたくてですね
昨日、キネマ館では「セデック・バレ」公開記念特別トークショーが開催されました。
「セデック・バレ」は、1930年に台湾の山間部で起こった抗日暴動事件を題材に、
「海角七号」のウェイ・ダーション監督が描いた4時間36分の長尺二部構成大作。
(C) Copyright 2011 Central Motion Picture Corporation & ARS Film Production ALL RIGHTS RESERVED.
台湾の原住民セデック族が台湾を植民地支配しようと入り込んでいた日本に反乱した
「霧社(むしゃ)事件」を完全映画化したバイオレンス・アクションな作品です。ちなみにR-15指定。
そんな本作のトークショー、講師は宮崎大学名誉教授・文芸評論家の岡林稔先生。
映画のスクリーンをバックに、パワーポイントでご講義をいただきました。
(大学の授業みたいで楽しかった~)
しかしなぜ、台湾の抗日暴動の映画で岡林先生なのか?
そこをつなぐキーは宮崎出身の作家「中村地平」でありました。
中村地平は南方文学の提唱者。そもそもなぜ南方なのか?
旧制宮崎中学校(現在の宮崎大宮高校)を卒業した後、神経衰弱でまいってしまった地平は、
南方でのんびりしようと台湾の高校へと進学を決め、そこから地平と台湾のつながりが始まりました。
なんで台湾か、というと、女性がらみで神経衰弱になってしまった佐藤春夫に「いいよ~台湾」と誘われて、とのこと。
そしてそんな中村地平を研究していらっしゃるのが、岡林先生なのであります。
・・・昨日の講義で出てきた言葉「理蕃(りばん)政策」。
なんと高慢な文字面だろうかと思います。
植民地化を目指すうえで、野蛮な民族を文明開化させてあげるのだ!
という上から目線な政策で、台湾の統治を進めていった日本政府。
現地の女性と政略結婚したり、部族の長を東京案内したりと懐柔政策を推し進めてはいたが、
基本的に、現地に入っていた日本警察も日本本国の国民たちも、セデック族を下に下に見ていました。
地平はセデックに寄り添った作品を書いてはいたものの
やはりどうしても、端々に上からな思想が見え隠れするのだそうで、
そういった感情に疑問を持ちにくい、そういう時代の空気感だったのかな、
と、ちょっと残念に思ってしまいました。
セデックから少し離れますが、地平についての講義の中で印象的だったのは、帝大同級生だった太宰治との友情と確執。
神経衰弱はなはだしい友人の太宰に「俺が入った新聞社に来いよ」と救いの手を差し伸べるものの、
太宰は女と心中未遂なんか起こしてる。言っても言っても心中しようとする太宰。
う~ん、太宰治、分かってはいたけどやっぱり面倒くさい男だなと思ってしまいます(笑)
地平も「なんや、もう!」と愛想をつかし、あんな奴は一生友達じゃない!と互いの作品の中で悪口を書きあう2人。
ほんと、なにやってんだ(笑)
さて、本作は先に書きましたとおり4時間30分越えの大作です。
5月25日(土)から上映開始。
前半を第1部、後半を第2部としてそれぞれに料金をいただきますので、購入の際はご注意ください。
今ならお得なセット前売券を2,400円にて販売中!
上映時間はコチラhttp://www.bunkahonpo.or.jp/cinema/time_2.htm
物販所には中村地平の作品や、岡林先生の著作も販売しております。
ぜひ、ご覧ください。
長々と失礼しました!よろしくお願いします☆
2013年05月10日
「魔女と呼ばれた少女」明日から公開です
しばらく良いお天気が続いて一転、今日は雨降り
窓から見える木々も潤い、心なしか色を濃くしたようです。
雨の日はなんだかアンニュイな気持ちになりますね。
ブログ書くの久しぶりです、Tシャツです。
本日は明日11日から公開の「魔女と呼ばれた少女」のご紹介。
両親と平和に暮らしていた12歳のコモナ。だが突如反乱軍に拉致され、両親は非業の死を遂げる。
無理やり兵士として戦地に立たされたコモナは死んだ人間を目にすることができるという能力を発現。
その力により軍内で特殊な地位を得、勝利を呼ぶ魔女と崇められるようになるが…。
いわゆる戦争映画、紛争映画というよりは、10代の女の子が過酷な環境でどう生きていくかを
ファンタジックな映像表現で示した作品だと感じます。
機関銃をお守りに、命がけの恋をした―
という本作のキャッチコピーが見終わった後に胸に迫りました。
こういう青春もあるのだな、という衝撃と感動。
本作の語り手兼主人公を演じるのは、ストリートチルドレンだったラシェル・ムワンザ。
親を亡くした子供、不可思議な能力を持つ“魔女”、恋するティーンエイジャーなどなど、
彼女の置かれた状況を豊かな表情で表現しています。
彼女は今作でアフリカ人女性初のベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞しました。
「魔女と呼ばれた少女」は5/11(土)~5/24(金)公開です。
お見逃しなく
窓から見える木々も潤い、心なしか色を濃くしたようです。
雨の日はなんだかアンニュイな気持ちになりますね。
ブログ書くの久しぶりです、Tシャツです。
本日は明日11日から公開の「魔女と呼ばれた少女」のご紹介。
両親と平和に暮らしていた12歳のコモナ。だが突如反乱軍に拉致され、両親は非業の死を遂げる。
無理やり兵士として戦地に立たされたコモナは死んだ人間を目にすることができるという能力を発現。
その力により軍内で特殊な地位を得、勝利を呼ぶ魔女と崇められるようになるが…。
いわゆる戦争映画、紛争映画というよりは、10代の女の子が過酷な環境でどう生きていくかを
ファンタジックな映像表現で示した作品だと感じます。
機関銃をお守りに、命がけの恋をした―
という本作のキャッチコピーが見終わった後に胸に迫りました。
こういう青春もあるのだな、という衝撃と感動。
本作の語り手兼主人公を演じるのは、ストリートチルドレンだったラシェル・ムワンザ。
親を亡くした子供、不可思議な能力を持つ“魔女”、恋するティーンエイジャーなどなど、
彼女の置かれた状況を豊かな表情で表現しています。
彼女は今作でアフリカ人女性初のベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞しました。
「魔女と呼ばれた少女」は5/11(土)~5/24(金)公開です。
お見逃しなく